【爪にネイルをしてもらった】ネイル検定試験のモデルをしました

女性は男性の手をよく見ているそうです。僕はこれまで手(特に爪の形)を褒められることが割と多くありました。「ああ、褒められるってことはいいことなんだな」と思っています。

今まで自分の手や爪に関しては、せっかく話題を持ちかけられても「よく言われます。他はアレなんですけど、手だけはこんな感じなんです」と返す程度で、特に何も話を広げることもできなかったんですが・・・この前、面白い体験をしてきました。

ネイル検定試験のモデルをやることになった

ある日、ネイリストを目指す方から「ネイル検定」を取りたいということで「検定試験があるんでモデルをやって欲しい」と頼まれました。

ネイル検定試験では実技があって、モデルとなる人の爪にネイルを施していくそうです。

というわけで「こんな機会はあまりないだろう」と思ったので、モデルをやることにしました。

モデルの爪の大きさや形は試験にも大きく影響するそうです

例えば、僕のような男性は一般的には女性よりも手が大きく、比例して爪も大きいです。爪が大きいとどう影響するのか・・・ネイルを施す面積も広い=時間がかかります。

検定試験は制限時間内に決められた工程をすべて終わらせないといけないので、爪が大きいと少し不利ではありますね。

塗料の減りや道具の消耗も進みやすいですが、爪が大きいと目立つのでキレイに仕上がるとすごく映えるそうです。

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試験では「ネイルがキレイに施されているかどうか」はもちろん採点基準の1つとなりますので、施しやすい爪を選ぶことで有利にもなりますね。さらに、形もいい爪を選ぶことが重要とのこと。(試験後に試験官の方から教えてもらいました)

という感じで、モデル選びって大事なんですって。ちなみにモデルの性別は男性・女性どちらでも大丈夫です。

ネイル検定試験の日まで練習に付き合うことになった

「試験当日までの期間、練習をしたい」という話になりました。そりゃあそうですよね。

試験を受ける方の技術力にもよると思いますが、いきなり試験に臨むよりは、ある程度流れを掴んでおくことって必要だと思いますし、実際にモデルの方にネイルを施してみないとわからないこともあります。

この練習がまた大変で・・・ネイル検定のモデルは、とても仲の良い友達や家族などわりと親しい間柄の方が選ばれるパターンが多いです。

練習が必要であるという意図も理解してもらいやすく「練習に付き合ってもらえる可能性も高い」ですしね。

検定試験当日まで数回練習に付き合うことになりました。

まずはネイルが施せるまで爪を伸ばすことになった

さっそく始まるのかと思ったんですが、まずは僕の爪を整える作業からスタートしました。

「ネイルを施せるような爪の形にしておく」必要があったわけですね~。そんな準備が必要だなんて知らなかった。

「爪の長さが足りないので、既定の長さまで伸ばしてほしい」と言われて、しばらく伸ばすことになりました。

伸ばした爪はキレイに整える

試験前に爪の形を整えておく必要がありまして、「ラウンド」と呼ばれる爪の形に削られていきました。

そして、爪の白い三日月がある辺りでも作業があって・・・甘皮(あまかわ)処理って呼ばれている作業なんですが、金属でできた専用器具で整えられる時は多少痛みをガマンしました。

これって僕だけじゃなかったんだな・・・ちょっと安心しました。

爪を伸ばしている間は苦労しました

もともとあまり深く爪を切らないんですが・・・さすがにこの長さになると、普段の生活にも多少の影響が出てくるようになりました。

爪、長くなったな~

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その具体的な影響とは、

  • 缶ジュースのプルタブが開けられない(地味に効いてくるしんどさ)
  • パソコンのキータッチが難しく感じる(爪が他のキーに当たっちゃう)
  • スマホ、タブレットなどタッチ画面の操作が難しくなった
  • 男性で爪を伸ばしていると「清潔感がない」と思われそうで、人と会う時はタイミングを狙って言い訳を入れることに。「実は、今ネイルのモデルをやることになって、爪を伸ばしていまして・・・」みたいな。
  • 爪が割れたり欠けたりしないように慎重に扱わないといけない(試験では規定数以上の爪の破損があるとモデルとして認められない)

など。今まで爪に意識を向けていなかったので、試験が無事に終わるまでいろいろと気は抜けない・・・

試験の前日になりました

試験では施されたネイルを落とす(ネイリストの間では「オフにする」っていうらしい)作業からスタートします。キレイにネイルを落とすことも試験の採点基準になるってことですね。

ですので、試験当日にはネイルを施された状態にしておかないといけないです。

真っ赤なポリッシュを塗られたところ

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ポリッシュというのは塗料のことで、マニキュアの同義語として使われることが最近は多いとのことです。(昔は意味合いが違っていたらしいです)試験では、赤色のポリッシュを塗って行かないといけない決まりがあります。

この赤色が選ばれているのにも理由があって、技術力がすぐにわかるそうです。つまり「小手先のテクニックやごまかしが効かない」ということですね。

ポリッシュを何度も塗ることになって大変なことに

ネイルの経験がある方なら当たり前かもしれませんが、ポリッシュが固まるまで爪は触ってはいけません。爪の大きさや体温などの個人差がありますが、塗ってから約10分で軽く触る程度なら大丈夫、完全硬化するまで念のため丸1日は必要。

ポリッシュが固まるまでの間、不意にどこかに爪が触れてしまってネイルにキズや指紋などの跡が付いてしまった・・・という事は何度もありました。その度に、除光液でオフにして、塗り直し。つらい、これがつらい。

このつらさを共感していただける方もいらっしゃいました。

特につらいのが・・・塗料が爪の中に入り込んだものは、木製の棒状の専用道具に少量の綿を巻きつけて、爪と指の間に突っ込まれてゴシゴシやられます。これがまたつらい。

「男はいちいちうるさい、ちょっとしたことでもすぐに大声を出す」とか言われて、「いやそれはものによるだろ。爪の間に何か入れられたら違和感あるだろ。普通は入れないんだから・・・痛いのか異物感があるのか、自分の感覚すらよくわかってないんだよ」っていうやりとりもして、そこは男女関係ないぞっていうところをしっかりと主張しました。

試験当日になった

先ほども書きましたが、試験当日はネイルが施された状態からスタートします。なので・・・試験会場までの移動の間、真っ赤になった爪を人前に出すのは変な誤解を受けそうだなと思ったので、家の中から外に一歩出たら試験会場まではずっとポケットに手を入れたままにしておこうと決めました。

これまた大変で。移動のために使った電車内も混雑していて、もちろん座る席の余裕もなく・・・だけど、吊革に掴まりたくてもポケットから出せない!

また、朝も早く出発したので、途中のコンビニで何か飲み物でも買おうという話になって。だけど、財布を出すこともできない!

・・・そうやって自分と戦っているうちに試験会場に着きました。

試験会場に着いた

「ネイリストになりたい男性も最近では増えてきているんで、数人はいると思うよ」という話だったんですが、扉を開けて会場内を見回すと、完全に全員女性で汗が吹き出しました。

会場内の視線もしっかり自分に集中しましたが、出オチというか、一度その場に溶け込んでしまえば何ともなくて、周りの方と談笑しながら楽しくやっていました。

こんな感じでできあがりました

1本だけネイルアートを施されました。ネイルアートも採点基準になっています。

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長くネイル業界で活躍されている方に、業界で生き残っていくコツを少し教えてもらった

試験が終わって会場を出た帰り道、試験官を担当されていた方と偶然方向が同じで少し雑談をする機会がありました。

試験官はネイリストとしてもう何十年もご活躍されているという方で、とても親切に話していただけました。

ネイル業界も日々技術や道具などは進化していて、いいものはどんどん取り入れているそうです。

ですので、業界のトレンドなどの動向チェックはもちろん、常に勉強し続けていかないといけない、という話でした。なるほど、これはどの業界でも共通しているんだなぁと思いました。

まとめ

自分にはあまり縁がないことだと思っていましたが、初めて自分の爪にネイルを施されて、モデルの体験まですることができて、途中慣れないこともあって大変だなぁと思うこともありましたが、とても楽しかったです。

この後も試験(ネイリスト技能検定試験)が月末にありますので、そこでも今回のような内容でモデルとして参加することになっています。

2015/11/26追記

後日、僕がモデルをお手伝いしたネイリストさんから「ネイリスト技能検定に無事に合格した(3級)」という連絡を頂きました。「男性もモデルとして成立するんだな」と、身を持って体験することができました。ホッとしました!

2018/05/16追記

その後も僕が応援しているネイリストさんは、目標を定めてひたすら努力をし続けた結果(僕もネイルのモデルとして何度もお付き合いしました)、無事にネイリスト技能検定の最上位の1級に合格しました。

この記事を書いた2015年当時から、そのネイリストさんはネイルサロンで仕事をはじめました。他のネイリストさんと仕事をしていく上で、様々な刺激を受けたそうです。

例えば、他のネイリストさんが上位の資格を持っていることに対し、自分は下位の資格しか持っていないことにとても引け目を感じていたようです(当然資格が全てではないですが、あることに越したことはないですね)。

そして今回、最上位の1級を取得することで、周囲にも「うまくなったね」と認められ、自信にもつながったそうです。

「周囲を納得させるため」「仕事をやりやすくするため」など、資格取得を目指す方は様々な理由を持っていると思いますが、僕個人としては、ネイリストさんが自分の技術に真摯に向き合い「技術の向上を目指そう」と思い続けた結果ではないかと思います。よかったです!

2018/07/13追記

ネイルの検定試験ってのは1種類ではなく、以下の2つが有名で、

  • JNECネイリスト技能検定試験
  • JNAジェルネイル技能検定試験

があります。先日、JNAジェルネイル技能検定試験の上級試験があるということで、またまたモデルをお願いされたのでお付き合いしたのですが、見事に合格した、という報告をいただきました。「これで資格コンプリートだ!」と騒いでいましたw

というわけで、次の目標としては、資格をコンプリートしないと受験できない「認定講師」の資格取得に向けて勉強をしているそうです。

認定講師の資格を持つと、これまで受験していたネイル検定試験の受験者を「審査をする側」である試験官になれたり、お店を持った時に「認定講師在籍のネイルサロン」などとアピールもできたり、ネイリストとしてさらに世間的に認められる存在になれるそうです。認定講師の受験資格について詳しく知りたい方は、JNAが公開している「認定講師資格試験」ご参考ください。

ネイルのモデルを仕事にするっていうのもいいよね

試験会場にいらっしゃった受験者の方々と話をしていたんですが「ネイルのモデル探し」って、結構困っている方が多いそうです。

この記事でも僕の体験を書いた通り、

  • ネイルを施しやすい手や爪の方を選ぶこと(爪の状態は特に重要で、破損が限りなく少ないもの)
  • 試験当日だけではなく数回は練習に付き合ってもらう必要があること
  • モデルとのスケジュール調整が必要であること

など、上記のような条件に合う方を探さないといけないです。

少し考えましたが、練習回数や日程などをある程度決めて、依頼をいただいて出張するのもいいよね、と話をしていました。他にもいくつか案があるんですが構想中です。

著者:bouya Imamura