【2020年度版】エックスサーバーの「新サーバー簡単移行」機能を使ってサーバーを切り替えるときに対応したことまとめ

少し前に、エックスサーバーから「新サーバーの利用」に関するメールを受け取りました。

メールの内容をざっくり書くと「今使ってるサーバーよりも性能が良い(スペックが高い)サーバーが使えます。新しいサーバーに移行しませんか?」という案内です。

詳しくは書きませんが、サーバーは、一般的にはより性能が良い(スペックが高い)ものを使ったほうがいいです。新サーバーの詳しい性能を知りたい場合は公式ページを参考ください。

というわけで、案内に沿って新サーバーへ移行しましたので、対応したことを以下にまとめました。

これから移行を考えている人は、参考程度にご覧ください。

移行の流れ

移行の流れを大まかに分けると、以下の2ステップです。

  1. 新サーバーに今使っているサーバーのデータをコピーする
  2. コピーが完了したら移行する

とてもシンプルですね。

というわけで、新サーバーにデータをコピーするため、エックスサーバー側に「申請」しましょう。

Xserverアカウント(旧インフォパネル)にログインしてデータコピーを申請する

Xserverアカウント(旧インフォパネル)にログインし「新サーバー簡単移行」を選択します。

下の画面に切り替わりますので「データコピー申請」ボタンを押してください(今回は X10 プランで試しました)。

次に、下の画面に切り替わります。「データコピー申請」ボタンを押しましょう。

申請の際、現在のサーバーの使用状況によりメッセージが表示される場合があります。

私の場合はドメインの転送関連のメッセージが表示されていました(画面キャプチャ忘れました)。

特に問題なければ、そのまま申請を進めてください。下の画像のように、データコピー申請が受理されます。

つまりこれは「新サーバーに今のサーバーのデータをコピーするので、準備するね。待っててね」という状態です。

データコピーの開始と完了のメールが届くまで待ちましょう。

そしてせっかくなので、待ってるあいだに新サーバー用のメール設定してしまいましょう。

新サーバー用のメール設定をしよう

「サーバー移行の作業の中に、なんでメール設定が必要なの?」と疑問がある人のためにちょっとだけ説明しますと・・・

エックスサーバーが提供するレンタルサーバー(今回の場合はX10プラン)は、メールを送受信する役割も持っています。サーバー切り替え後は、新サーバーを利用してメールを送受信するため、新サーバー用の設定が必要、というわけです。

ですので、ご自身が普段メールを送受信するために使用しているメールクライアント(例えば Gmail とか)に、現サーバーの設定は消さずに、新サーバー用の設定を追加してください。

新サーバー用の設定は、送信(SMTPサーバー)・受信(POPサーバー)ともに、新サーバーのドメイン「s○○○○○.xsrv.jp」を指定しましょう。

その他、メール設定に必要な情報(メールアドレスやパスワード)はそのまま現サーバーで使用している情報を使えばOKです。

ちなみに現サーバーの設定を消さない理由は、サーバーの切り替え時からしばらくは、現サーバー・新サーバーいずれかでメールを受信するので、設定していないサーバーにメールが届くと確認できませんよね。なので、メールの取りこぼしを防ぐためです。

新サーバーに完全に切り替わったと判断したら、現サーバーの設定は削除してもOKです(完全に切り替わるまで、おおよそ1〜2週間程度が目安と言われることもありますが、心配ならばもっと多くの期間を取ってもいいでしょうね)。

あまり詳しく書かれていませんが、エックスサーバーの公式ドキュメントにも「サーバー移転中のメールの受信方法はどうすればいいでしょうか?」とありますので参考ください。

メールの設定が完了したら、引き続きコピーが完了するまで待ちましょう。

コピー開始〜完了

私の場合は、申請から1日程度でコピー開始され、1時間程度でコピー完了のメールが届きました。

移行する

ここまでの作業は「新サーバーに現在使っているサーバーのデータをコピーしただけ」なので、移行は完了してません。

コピー完了のメールが届いたら、Xserverアカウント(旧インフォパネル)にログインし、移行を完了させましょう。

ログインすると、下の画像のように、移行が完了していないサーバーが表示されています。「新サーバー簡単移行へ」ボタンを押しましょう。

下の画面に切り替わります。

コピーしたデータが問題ないかどうか、コピー内容のログの確認などができます。何か問題があれば、移行をキャンセルもできるそうです。

もし問題を発見して解消できるようなら、一旦移行作業を見送って再度申請するのもいいと思います。ただし、移行期限が設けられていますので、期限内に作業しましょう。

この辺は、ご自身の状況に合わせて移行するかどうかを判断ください。

というわけで、問題なければ「サーバー切り替え」ボタンを押して完了です。

移行完了後は、必ずチェックしよう

移行完了後は必ず問題がないかどうか、確認しましょう。

こんなことをチェックしよう

  • ウェブサイトが正しく表示されているかどうか
  • メールの送受信ができるかどうか
  • サーバーで何らかのシステムを構築しているのであれば、動作するかどうか

ちなみに私の場合は・・・いくつか特別な対応が必要でした。

以下にまとめましたので「こんなこともあるんだなぁ」程度に参考ください。

Cronが動かなくなってエラーメールが届くようになった

サーバー側で定期的に実行したいプログラムなどはCronを使うと便利ですよね。

Cronの記述は新サーバーにコピーされていましたが、動かなくなっていました(自動キャッシュ削除のCronなんですが、どのタイミングで設定したのか記憶が・・・なので、確認中です)。

WordPressを使ったウェブサイトでけっこうなことが起こった

いまのところ原因は謎ですが、あるWordPressで作ったウェブサイトで問題がありました。

新サーバーへ移行した全てのウェブサイトで起こっていることではないので、謎が深まっています(わかり次第追記します)。

さらっとまとめましたが、わりとクリティカルなのもあります。

カスタマイザーの設定が全て消えた

カスタマイザーで設定した箇所は、全て設定し直しが必要でした。色、レイアウト、シェアボタン、JSON-LD、アクセス解析タグなど、全部・・・😹

カスタムメニューの表示設定が解除されていた

カスタムメニューそのものは生きていたんですが、ヘッダーやフッターに表示するための「メニュー設定」のチェックボックスが外れていました。

絵文字が正しく表示されなかった(一部)

タイトルや本文中に絵文字を使ってたんですが、一部の絵文字のみ「?」の文字に変換されていました。たとえば😀とか🎉など。

念のため、全記事確認してるところです・・・

移行後も元のサーバーに戻せます(期限付き)

移行後、14日間は元のサーバーを保持してくれるそうです。以下は、移行完了後に届いたメールの一部です。

移行完了から14日間、移行元サーバーを保持いたします。

再び、移行元サーバーをご利用になりたい場合は、期限までにXserverアカウント内「新サーバー簡単移行」メニューから、サーバーID「○○○○」の「元のサーバー環境に戻す」をお手続きください。

※移行【先】サーバーで保存されたデータ・設定を移行【元】サーバーにコピーすることはできません。お手数ではございますが、お客様にて移行作業を行ってくださいますようお願いいたします。

もし、何らかの事情で元のサーバー環境に戻したい場合、上記の手続きを取りましょう。

独自でとったバックアップで戻すのはやめとこう

ちなみに「事前にバックアップしたデータを使えば、エックスサーバーの機能を使わなくても元に戻せるんじゃない?」と考える方もいますが、実はそれは大きな勘違いです。

今回のような移行ツールを使った作業をする場合、移行ツール側でどんな手続きを経てデータを新サーバーにコピーしたのか、詳細が不明です。

そんな中で、独自でとったバックアップデータを使って戻すと、余計におかしくなってしまう可能性はあります。

しかも、今回は新サーバーへの移行なので、サーバーのドメイン、IPアドレスも変更されています。その独自でとったバックアップデータを新サーバー用に「正しく加工して、正しく反映する作業」は、かなり難しいし時間もかかると判断しています。

これまで、いわゆる「火消し案件」を数多く経験してきた中で「データを元に戻すこと」はよくやってきたので、やろうと思えばできますけど・・・できれば避けたいですね。

サーバーを元に戻すのは最終手段にしとこう

とても重要なことですが、元のサーバー環境に戻した場合、新サーバー移行後に変更されたデータは全てなかったことになります。

例えば・・・会員制サイトで新規会員登録されたり、ブログ記事を更新したり、何らかの設定を変更したりなどがあった場合ですね。それらの登録・更新・変更はすべてなかったことになります。

「そんなのはイヤだ!」という人は新サーバーのデータを元のサーバーに反映させればいいのですが、正直、かなり難易度が高い作業だと思います。個人的には、極力やりたくないですね。

なので、サーバーを元に戻すのは最終手段で、もしやるならかなり慎重にやったほうがいいです。

私は(今回は)元に戻すよりも、移行が不完全だった箇所を修復するほうが早いと判断して対応しました。

一応念のためですが、移行を完了する前に「データコピー実行ログ閲覧」で問題がないかチェックましたが、かなり簡易的なログしかなく、データのコピーが失敗してる様子もなかったんですよね・・・。

エックスサーバーの移行ツールを使ったのは今回で2回目なんですが、2回とも完璧にはいきませんでした。

まあ、完璧なシステムなんて世の中に存在しないんですけどね。

まとめ

エックスサーバー側が提供する機能を活用すれば、新サーバーへの移行はわりと難しくないです。

が、メールの取りこぼしがないよう設定を行ったり、私のように場合によっては特定のウェブサイトでかなりの対応が必要だったり「移行に際する付帯作業はあるぞ」というのはある程度覚悟しといたほうがいいかもですね。

何の問題もなく、すんなり移行できる人もいるだろうと思いますが・・・一例として参考いただけますと幸いです。

著者:bouya Imamura